tv-627876_1280.jpg
August 5, 2020by Mamoru Kakuda

2020年7月22日、米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)はIPRで提出されたsubstitute claimsに対しては、102条、103条にとどまらず、101条など特許性に関するすべての審査ができると、判示しました (Uniloc 2017 LLC v. Hulu, LLC)。

IPRの請願では、102条の新規性と103条の自明性に限った主張が可能です。今回の論点は、IPR中に提出されたsubstitute claimsに対する特許性判断も、102条、103条にに限った判断しか許されないのかどうか、という点になります。

Hulu社、Netflix社(併せてHuluという)は、Uniloc社の有する特許に対してIPRの請願を行い、2018年8月1日、特許庁審判部(PTAB)は独立項を含むクレームについて、有効ではないとの判断を下しました。その8か月間前にUniloc社はMotion to Amendを提出し、独立項が有効でないと判断された場合のsubstitute claims をenterするように要請しました。提出されたsubstitute claimsは101条のもとで、特許することができない主題であるという主張をHuluがしたのに対し、Uniloc社は、101条の問題に対して実質的な議論はせず、単にHuluは101条の議論をここで持ち出すことは許されていないと反論しました。最終結論で、PTABはUniloc社のMotion to Amendを101条に基づく特許可能な主題ではないというだけの理由で、否定しました。

関連訴訟として、テキサス州東部連邦地裁は対象特許のすべてのクレームが無効であるという判決をすでに下しており(Uniloc USA, Inc. v. Amazon.com, Inc., 243 F. Supp. 3d 797, 811 (E.D. Tex. 2017)) 、IPRの最終決定後の2018年8月9日にCAFCはその地裁判決をaffirmしました。

Uniloc社は、PTABは101条による主張ができるものと法律を誤って解釈をしているとして、rehearingを申請しましたが、PTABはこれを否定し、それを precedentialに指定しました。Uniloc社はCAFCに控訴しました。控訴審で、Huluは、substitute claims については、101条も含めた審査が可能であると主張するとともに、すべてのクレームの無効であるとの地裁判決がCAFCでaffirmされ、確定したのであるから、substitute claimsに関する争いは、現実的価値がない(mootである) 、と主張しました。

CAFCは、まず、もしUniloc社の主張が正しければ、Uniloc社に対する救済が可能になるので、本件においてsubstitute claims に関する争いは現実的価値がないわけではない、と判断しました。

また、CAFCは、IPRで提出されたsubstitute claimsに対して、102条、103条以外に基づく審査が可能であると判断しました。理由としては、(1) IPRの条文から見て、PTABはクレームの特許性を判断することを要求している、(2) 立法構造と経緯からみて、議会は、PTABによるsubstitute claimsの審理を102条、103条に限ることを意図していない (substitute claimsは特許庁による審査を受けたものでないし、101条、112条の制限のない補正を認めれば、特許の対象にならない補正や明細書にない補正をして、公知例を克服する可能性がある)、などを挙げています。

なお、O’Malley判事は、dissenting opinionの中で、‟substitute” claim は、original claims をsubstituteするものなので、original claims の無効が確定している以上、substitute claimsに関する争いには現実的価値がない、また、IPRで提出されたsubstitute claimsに対して102条、103条以外に基づく審理を認めることはefficiencyのポリシーに反する、などの理由でmajorityの意見に反対しています。

Judges: WALLACH, TARANTO, and O’MALLEY (dissent)

Mamoru Kakuda

by Mamoru Kakuda

Mamo’s extensive background includes a tenure of over 20 years as an IP professional in a renowned Japanese chemical company. During this time, he developed an elite insight into Japanese companies’ operations and IP practices. Consequently, Mamo is esteemed for his astute counsel which guides his diverse clientele on their best course of action, obtaining patents effectively and efficiently.