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July 1, 2020by Mamoru Kakuda

2020622日、米国最高裁は、202032日のComcast v. ITC and Rovi CAFC判決に対する上告の請願(a petition for a writ of certiorari)を却下しました。 

Rovi Corporation  Rovi Guides, Inc.は、2件の特許を侵害して米国関税法337条に違反しているとして、ComcastUSITC (米国国際貿易委員会提訴しました。 

行政法判事(ALJ) は、Comcast社はその顧客による直接侵害を誘発(induce)しているとともに、ARRIS 社とTechnicolor 社がX1-set-top box を輸入しているが、Comcast社がそのデザイン、製造、輸入に十分に関与しており、337条の意味での輸入者といえると認定しました。委員会もその認定維持(affirm)し、限定的排除命令を出しました。 

Comcast 社はCAFCに控訴しました。控訴審で、Comcast 社は顧客による直接侵害があったこと、induced infringement (誘発侵害)があったことについては争わない一方で、以下の2つの理由で337条違反はない、と主張しました(1) 輸入時には、X1 set-top boxは特許を侵害してない; (2) ARRIS 社、TechnicolorX1 set-top box輸入した後に、Comcast社はX1 set-top boxの所有権を取得しているので、Comcast社は輸入者ではない。 

CAFCは以下の理由でComcastの控訴を棄却しました。 

一つ目のComcast社の主張に対しては2015年の大法廷でのCAFC判決 (Suprema, Inc. v. U.S. Int’l Trade Comm’n, 796 F.3d 1338 (Fed. Cir. 2015) (en banc)) に照らして、たとえ輸入後に侵害が生じたとしてもX1 set-top box337条の意味での侵害品であるとした委員会の結論は正しいとCAFCは認定しました。 

2つ目のComcast社の主張に対してはComcast337条の意味での輸入者と認定した委員会の結論は、実質的な証拠に基づいており、法と先例に沿っているとCAFC認定しました。 

Comcastは、最高裁への上告の請願を提出し、そのなかで、(1) X1 set-top boxは、輸入時に特許を侵害していないにもかかわらず、委員会がX1 set-top box侵害物品認定したことは19 U.S.C. 1337(a)(1)(B) に照らして妥当か; (2) Comcastは実際の輸入を行っていないにもかかわらず、委員会Comcastが侵害しているとされる物品の「輸入」に責任があると認定したことは19 U.S.C. 1337(a)(1)(B)に照らして妥当か、という点を含む論点を提示していました。 

今回の、最高裁による上告の請願の却下により、輸入後の侵害行為が米国関税法337条による排除命令の対象になる、ということが再確認されたことになります。 

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by Mamoru Kakuda

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