mic-1132528_1280.jpg
October 2, 2020by Mamoru Kakuda

米国特許庁審判部は、特許適格性に関する2019年改訂版審査ガイダンス(2019 Revised Patent Subject Matter Eligibility Guidance, 84 Fed. Reg. 50 (Jan. 7, 2019))に基づいて判断した審決 (Ex parte Hannun (Appeal 2019-003323)) を昨年(2019年)12月11日に、informativeに指定しています。

特許はコンピュータによる音声書き出し方法を対象とするもので、概略以下の構成を備えていました。

normalizing an input file,

generating a jitter set of audio files,

generating a set of spectrogram frames,

obtaining predicted character probabilities from a trained neural network and

decoding a transcription of the input audio using the predicted character probability outputs.

審査官は、Alice testのstep oneで、まず、クレームには、predicted character probabilities、すなわちmathematical formula or relationshipを使用することが書かれているので、abstract ideaのひとつであるmathematical concept を対象としたものであると認定しました。

さらに、審査官は、この発明を以下のようにサマライズしました。

normalizing the input audio data (manipulating data),

generating spectrogram frames based on each audio file (generating information sets based on prior information sets) and

using a mathematical formula to convert audio data into text data (Decoding).

その上で、人間は、オーディオファイルを聞き、オーディオデータをテキストに書き出すことができるのであるから、この行為は、 abstract idea のひとつである certain methods of organizing human activity であり、いずれにしても abstract idea の範疇である、と認定しました。

さらに、審査官はAlice testのstep twoで、クレームは、数式(Predicted Character Probabilities)を使用して文字起こしをデコードするだけであるから、abstract idea を有意に超えるものではない、と認定し、結論として、クレームは特許適格性がないと判断しました。

これに対して、審判請求人は、審査官は、発明を過度に単純化しており、発明は abstract ideaではない、と主張しました。具体的には、(1) 審査官は、‟trained neutral network and related element”を使用する点を無視している。一般的なコンピュータは “trained neutral network”ではない、(2) 発明は、自動会話認識における特定の技術課題を解決するための特定の実行であり、コンピュータの能力の向上を対象にしている、と主張しました。

Alice test のstep two については、審判請求人は、クレームは、normalizing, generating a jitter sets, generating a set of spectrogram frames, obtaining predicted character probabilities, decoding using the predicted character probabilitiesなどの特定の実行を含んでおり、さらに、特定のシステムを扱っており、コンピュータの機能の改良を扱うのものであり、よく知られたルーティン以外の特定の限定を含んでいるので、abstract ideaを有意に超えるものである、と主張しました。

審判部は以下の理由で審判請求人の主張に同意しました。

Alice testのstep oneについては、

1. クレームは、normalizing, generating a jitter sets, generating a set of spectrogram frames, obtaining predicted character probabilities, decoding using the predicted character probabilitiesなどの特定の実行を含んでおり、これは実際上精神的に実行できるものではないし、クレームもhuman activity をorganize することを要件にしているわけではないので、クレームが method of organizing human activity を記載しているとは言えない。

2. また、審査官は、クレームがpredicted character probabilitiesを使用することを要件としているので、数式を使用していると認定しているが、その数式またはアルゴリズムはクレームの要件ではないので、クレームがmathematical conceptを記載しているとは言えない。

3. たとえ、クレームがmathematical conceptを記載していたとしても、それはpractical applicationに一体化されているので、abstract idea を対象としたものとは言えない。審判請求人の主張するように、明細書には本発明によって従来技術よりも高パフォーマンスの会話認知を達成できることが記載されている。

Alice testのstep twoについては、審査官はクレームは法的例外を有意に超える追加の要素を含んでいないと結論付けているが、それには十分な事実的根拠が示されていない、と審判部は判断しています。結論として、審査における特許適格性に関する拒絶は覆りました。

Mamoru Kakuda

by Mamoru Kakuda

Mamo’s extensive background includes a tenure of over 20 years as an IP professional in a renowned Japanese chemical company. During this time, he developed an elite insight into Japanese companies’ operations and IP practices. Consequently, Mamo is esteemed for his astute counsel which guides his diverse clientele on their best course of action, obtaining patents effectively and efficiently.